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考えても、――わからない。
そんなことが数ヵ月続いた時。
「ヤバい。」
ツキイチ。女子の日。朝から、鈍痛&貧血。
玄関先で目眩がして、しばらくして会社に連絡。
気持ち悪くて、今日、無理かも。
そう弱気になって、準備の整っていたスーツ姿のまま、ベッドに倒れ込んだ。
薬が効くまで、動けそうにないかも。
その時。
携帯がしつこく鳴り響いた。
ベッド脇にあったバッグに手を突っ込んで、そのまま手探りで携帯をつかむと、表示を確認しないまま電話に出た。
「……はい」
「お前、家?」
その声は。
「はい」
「あ、そう。ジーサンが危篤で今から大阪行かなきゃいけなくなった」
「……え?」
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