決断

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不満をいくら抑え込んでいたところで、無くなる訳じゃない。 時折会社で後姿を見た瞬間だけは、胸が苦しくなる。 頭じゃ、そんなの思い込み。そんな風に考えても 身体が、反応する。 もう、考えてどうこう出来る状態じゃなかった。 瞳が、スキ 声が、スキ 広い背中が、スキ 何を考えてるのかわからなくても、スキ 何もかもに過敏に反応して、身体から気持ちが溢れ出てしまう。 姿さえ見えなきゃ。仕事には没頭してるし、頭からは存在は消えるのに。 依存、なんてもんじゃない。 身体に染み付いて、もうその感情は 恐怖にさえなっていた イチさんが、怖い。 私をどうにでも惑わせる、あの存在が。 ――いつでも私を傷付け続けて、それでも 絶対的な、存在が。
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