決断

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うごめく、ドロドロとした感情。 「お世話様です、階は5階でいいですか?」 それを抑え込んで、精一杯の笑顔でそう言った ――が。 「……」 田所さんは、無言。 恨めしそうな目で、唇を噛み締めていた。 ――バレ、てる。 これは。 何も話そうとしないその田所さんの姿に、渋いものが口に入ったみたいに、私は苦笑い。 そんな顔しなくても。 ――消えますから。
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