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◇ #2
――それにしても。
頭、痛い。
「それにもう、別れ話もすんでんだよね」
駅前で入ったダイニング。
目の前に運ばれてきた料理を目の前に、得意気にそう話す紀井さんをみる目が180度変わった。
「でも、一緒に住んでるんですよね?」
「ん、まぁ。会話なんてほとんどもう無いけど」
軽々しくそう語る、紀井さん
夢から、覚めた気分。
軽蔑の目で紀井さんをそう見ると同時に、
心の中では、どっかの誰かさんとその姿は重なって。
「毎日、最近。考えてたんだよ。成田のこと」
軽く、薄っぺらにしか聞こえない言葉。
そして、思い知らされる。
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