成田のくせに。

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見送る、成田の背中。 「……ふ」 思わずその姿が健気すぎて笑みがこぼれる 「――あれ?」 その様子を見ていた茜が、首を傾げた。 俺はそれに気がつかないよう、自分の席に戻る 「成ちゃんと、喧嘩でもしたんですか?イチさん」 ――くそ。 「んあ、終わっただけ」 「それは知ってますけど」 ――じゃあ聞くなよ。この天然女が。 平気なフリしといて、自分で軽く打撃を食らう。 あー、そうそう。 終わったんだった。 成田の顔みたら、忘れてたわ。               -1346
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