◇ #2

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「も、もう!終電!無くなりますよ!!」 グイ、グイ、と、紀井さんの背中を押して地下鉄の入り口へと押し込もうとする。 「帰りたくない」 この人。 どんだけ強情なんだ……。 駅前で押し問答。 微かな違和感、それは。 この人。絶対。 気が多いだけだ。 「ほんとにもう!私、帰りますっかっ、らっ!」 グイグイ、と 何と戦ってるんだ私は。 階段まで押しやって、やっと紀井さんの足を地下鉄へと向かわせた。 なんだ、この疲労感は。
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