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「――じゃ」
ろくに吸ってもないのに煙草を消して、その場を去って。
そっからあんまり記憶にない。
昼飯前あたりに、茜が会社に戻ってきていたけど、そんなことも全く気にしてなかった
「――やだ、イチさん、怒ってるんですか?」
「……は?」
昼休憩――の時間がどうやら過ぎていたらしく、プレゼン用にまとめていた資料とにらみ合いをしていたら、茜が声をかけてきた
「なんで?」
「なんだ、違うんですか。昨日のこと根にもって怒ってるのかと思ってました」
「――昨日?」
昨日――ああ。
「別に」
すっかり忘れてた。
「……」
怪訝な顔をして、茜が首をかしげている
「お昼、食べないんですか?」
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