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まん丸でちっさい成田の頭見て、 真後ろに立ち止まる。 その瞬間、ビクッとはねあがった成田の背中。 ゆっくり振り返った成田の上目使いの目と、 俺の目が、合う。 一瞬、時が止まったみたいに目が、――合うんだ。 いまだに、このなんともいいがたい、間。 「早く入れたら」 止まっていた時を乱暴に動かせるのは、いつも冷めた声の俺の言葉 「すっ、すいません」 成田の手にはマグカップ マグカップの中身は、 「なにそれ」 「――もずくスープ……ですけど」 「あ、そ」 中身なんか、はなから興味なんかない 慌ててポットから湯を出してる成田の後ろ姿に ついうっかり悪戯したくなって、手がのびる 「お待たせしました」 ふっ、と振り返って 怯えた、顔。 じゃあ、と言って小走りに給湯室を出ていった成田に。 行き場のない、数センチだけ伸びた、手。
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