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最後の日、なんて思ってたけど。
出だしから――最悪。
ま、そもそもその元凶は全部俺なんだけど。
田所のマンションの近くでタクシーを降りる
正直もう、話すことなんか何にもない。
「どうする」
「……」
目の前には駅前から続く商店街の出口が見える
――沈黙。
「――話すことなんて、もう何もないのにね」
ポツリ、と。田所が呟いた。
見え見えの態度のせいか、心内を見透かされたように、思っていた事を田所が言った
「近々、新しい担当者と挨拶に行くので、宜しくお願いします――市川さん」
ボロボロと。
涙を流しながら、弱々しい震えた声で、最後に唇を噛み締めた田所の姿が印象的すぎて
言葉が、出なかった
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