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「くぅーーっ(ほぼ奇声)、可愛いすぎる。 可愛いすぎるよー! アカ? アカちゃあん」 思わずメロメロになり、 周りの目も気にせず俺は取り乱しまくる。 それくらい恐るべき魔力が、奴らには搭載されている。 そうに違いない。 特にこいつ、 クリスマスセール対象商品――10万9800円のシーマル(シーズー×マルチーズのハーフ犬)はヤバイ。 ブンブン尻尾を振って、 くりくりとした目で、 「連れて帰って」と訴えてくる。 俺はショーケース越しに、 そのアカ(シーマル)の鼻を撫で、 なんとなく、もう一度アカの価格表示を見た。 ふいに沸き上がる疑問。 あれ? どうしてこいつ「商品」なんだ? クリスマスなんていう浮ついたイベントで、 浮ついた人間のプレゼントにされて、 こいつらは本当に幸せになれるのか? なら俺が買うか? ローンも組めるらしいし、 いやいや、それだと俺もその浮ついた人間と同じ列に並ぶってことだし、 そもそも、犬って人間のなんだっけ? どうして俺、こんなにモヤモヤするんだ? 考えだしたら止まらない。 俺の疑問は、音速マッハの勢いで脳内をかけ巡った。
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