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奇跡、いや天変地異の前触れか?
俺にキラキラしても何の得もないと思うけど。
「どうして、
どうしてそう思ったんすか?
それに、俺に話し掛けるなんて……」
余計なことを聞いてしまうクセを、
俺は三歳の時からやめられないでいた。(ママ、赤ちゃんはどこからくるの? )
「えっと……、話し掛けてはだめでしたか? 」
しかし、余計なことを言う割に、
逆に聞かれると大抵口籠もってしまう。
我ながら俺は卑怯な奴だと思う。
「いえ、そういうわけでなく……」
「うーん、話し掛けたのは、同じ匂いがしたからです。
同じ犬好きの匂いが」
「匂い? 」
「はい! 犬好きに悪い人はいません。
それに私、いい人を嗅ぎ分けるの得意なんです」
そんな俺にニコニコ微笑んでくれる彼女(えっと、名前知らない)は、
きっとよくできた子で、
素敵な女性に違いない。
俺は単純にもそう思った。
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