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オリオンとは狩人の意味だ。西欧では星の配置を線で結んで絵に見立てて伝承した。
狩人は西を向いている。
原型は狩人がこん棒を振り上げるイメージだが、一般的には、その胴体部分が注目を集める。
胴体部分だけを見れば砂時計の形だ。日本では鼓星(つづみぼし)などとも言われる。
オリオン座を美しく印象づけるのは、中央にならぶ三つ星だ。
三つの星が一列に並ぶ。これを狩人の腰に巻かれたベルトと見る。オリオンズベルトと呼ばれる所以だ。
左上には赤色超巨星ベテルギウス。この星がオリオン座のα星。アルファ星とは、その星座を代表する首星の意味だ。
狩人の右肩に見立てられる。太陽の950倍の大きさだ。赤く巨大化した姿は赤色矮星(せきしょくわいせい)と呼ばれ、星の最期が近い事を意味する。
ベテルギウスは老人星なのだ。距離は640光年。やがて超新星爆発を起こして姿を消す運命にある。
1日で259億2千万㎞を飛ぶ光の速さで640年かかるのだから、とてつもない距離だ。
メイサが頭でベラトリクスが左肩。
リゲルが左足首でサイフが右膝。リゲルが左足首とは足を上げた形に見立てたからだ。
メイサ (Meissa) は別名ヘカ (Heka)とも呼ばれる。アラビア語で「光るもの」を意味する。この青い星は1100光年の彼方にある。一つに見えるが実際は連星だ。
ベラトリクス(Bellatrix)は別名アル・ナジト(Al Najid)とも言われる。 これは征服者の意だが、ベラトリクスとは女戦士という意味だ。青白い巨星で距離は252光年。他の星と比べれば太陽系に近い。
右下で、ひときわ青白く輝く【リゲル】は若い星だ。大きさは太陽の70倍。
恒星の色は表面温度によって決まる。
高温の星は青白く、低温の星は赤みを帯びるのだ。
これは恒星から放射されるエネルギーの強さを意味している。
サイフはオリオン座の左下に位置する2等星だ。 実視等級は2.06で、とても明るい。 サイフも青色超巨星に分類される。
オリオン座の多くの明るい星と同じく、オリオン大星雲から生まれたとされる。
オリオン大星雲とは三つ星の下に見える彼方の星雲を言う。
オリオン座を美しいと感じるのは、要するに他を圧倒するほど大きく明るい星が多数、配置されたからだ。
だが、実は大きな星ほど短命だ。
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