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シュパッ シュパッ シュパッ
モバイルフォンがオレンジ色の光を間欠的に放った。
柏原からの連絡だと予想がつく。
『いやあ、すまん。さっきの件だが、夕食会を兼ねて18時で、どうだろう?』
「了解。どうせ決めてしまったのだろ? 場所は?」
『ホテル・トリリオンの20階。ラウンジレストランだ。夜景が素晴らしい』
「行った事ないな。高いんだろう?」
『その心配は要らない。かみさんからの指示だし、かみさんが払うと言ってる』
「ただより高いものはないと言われるからなあ。逆に恐いよ。妙な仕事を押し付けられても困る。この頃、怪しげな情報を科学雑誌に載せてくれなんて話が多くて」
『だいじょうぶだ。そんな話なら俺が止める』
「そうか。イーターの件は調べたが、これとは関係のない話なんだな?」
『もちろんだ。個人的な話だ。それじゃ……あっ、テレビ討論はいつだっけ?』
「29日。クロスサッカーの後だよ」
『じゃあ、かぶらないな。安心した』
そう言って柏原は通話を終えた。
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