ユキトキヲク

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 リゾート気分を満喫しているのは、紛れもなく若葉達の叔母だった。 彼女は、男に「ところで、“サクラキヲク”って知ってる?」と訊いた。 「知らないよ。何それ?」  男がそう言うと、叔母は男の手のひらに、勾玉の様な形の物を手渡した。 「じゃあ、これ預かっておいて」  叔母、現在666歳という事は、“ユキキヲク”も誰も知らない。 ただ、会話の為に片側だけ外したイヤホンからは「Hippy Hippy Shake!」とノリの良いナンバーが大音量で垂れ流れていた。
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