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イエスは空虚だった。
自害しても死ねない身体を呪った。殺されても無限に復活が出来る。
聖母マリアから与えられた人間の姿形は、彼にとっては、ただの入れ物に過ぎない。
たとえ、容器がなくなっても、別の容器に移り変わるだけだ。
そして、不死は彼にとっては、生きる上での枷となり、行き場のない精神的激痛を伴う退屈が生じた。
イエスは把握していた。自身の持つ様々な能力の事を。
彼は、退屈な日常を少しでも刺激のある生活にしたいと思った。
イエスは民衆の前で塵になり死亡した。
しかし、と言うべきか、当然、と言うべきか、処刑後3日目の早朝に、自身に似た容器で復活してしまった。
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