Hologram

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ホログラムのような 月の差す東京を見下ろせば 踊る人の群れは目隠ししたまま 革靴の擦れる音をぶつけてる シャッターを切った 伸びる筋はおそらく山手通り 戸惑いを浮かべる僕の顔 厚いガラスに映って歪んでる ターミナルを抜ける終電 最終便が羽田を発ったらしい 逆さの橋を描き出す湾の上 すべては僕以外の人々の痕跡 インスタントカメラを抱えて 撮っては確認して丸めて投げて 僕が写らないからいつまでも ファインダー越しに探し続けた
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