下着泥棒

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その家族が、川沿いの新築の賃貸マンションの1階に入居したのは、つい2ヶ月程前の事だった。 川上から吹く風が心地よく、日当たりのいいベランダが、夫婦のお気に入りだった。 幼稚園児の真美にもうすぐ産まれてくる子ども。 日当たりのいい部屋で子どもたちが遊ぶのを想像して選んだ部屋だった。 だか、入居して、2ヶ月程して、妻の芽衣子は夫の正隆に青い顔をしてこう言った。 「貴方、私怖いわ。今までは風で飛ばされて川にながされてたんだとばかり思ってたけど、こんなに続くのはおかしいもの。警察にも通報したけど、このままここに住み続けるの怖い」 「下着泥棒くらいどこにでもいるだろ?」 「でも、貴方、真美の下着だけしかなくならないのよ?」 家族は1週間後夜逃げをするように違う町へ引越した。 その数ヶ月後家族が住んでいたマンションの前に流れていた川下で幼児の遺体が発見された。 あのマンションに住んでいた、真美と同い年の可愛い女の子だった。 . end
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