第1話

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~始まり~ 小生は、この世に生をうけて15年。 幼い頃に両親を亡くし、妻を亡くした祖父の男手ひとつで育った。 風変わりな口調も、大正生まれの祖父譲りだ。 しかし小生は自分を恥じてはいない。 祖父を心から尊敬しているからだ。 祖父は言う。 「お前は容姿には恵まれていない。 しかし、ワシはお前をどこに出しても恥ずかしくないように育てた。」 小生は感謝の気持ちで、頭を下げた。 島暮らしの小生は今日、生まれ育った地を離れ、船で高校がある本土に行く。 島にはわずかな子供しかおらず、幸いなことに小生の事をバカにするような子供はいなかった。 下げていた頭をあげ 「おじい様、行ってまいります」 そう言って、小生は未来へ繋がる船に、力強く一歩を踏み出した。
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