序章

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――3651年 5月、王宮の庭にて 「李 珀千<リ ハクセン>、そちらの女子<オナゴ>はそなたの孫か?」 そう言い、あごひげを撫でながら近付いてきたのは、太汀国<タイテイコク>国主、姜 悠謐<キョウ ユウヒツ>である。 齢七十にして、その誠実な人柄が全国民に慕われている人物だ。 「陛下。」 振り向いたのは李 珀千、この王宮の庭師を務める老年の男だ。 「こちらは私の孫娘の、英華<エイカ>と申します」
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