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珀千は孫娘の頭に手をかけ、頭を下げさせた。
「今日は両親の都合が合わず、じじいの私が面倒を見ることになりまして」
珀千は苦笑しつつ、仕事道具の鋏<ハサミ>を近くの台の上に置いた。
「孫娘か……。そなたが羨ましいぞ。私には孫息子しかいないからな」
悠謐は顔を和ませると、英華に更に寄ってきた。
「私も、孫娘が欲しいところだ。――して、英華。年はいくつだね?」
悠謐は、一国の国主という立場にあるにも関わらず、その場に跪き、英華と目線を合わせた。
その行動に珀千は血相を変えた。
「陛下っ!!そのような真似は……っ」
悠謐はそんな珀千の慌てた様子にも動じず、のんきに英華の頭を撫でる。
「……さ、三歳」
聞こえるか聞こえないかくらいの声量で、英華が答える。
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