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「三歳か……」
悠謐は一人呟くと、ほくほくと嬉しげに立ち上がった。
「英華」
「?」
可愛いらしく、英華が首を傾げる。
「私にも英華と同じ年の孫がいてな。あいにく、今日は一人しかおらぬが……。どうじゃ、一緒に遊んではくれないかね」
「陛下っ!!」
その言葉に、今度こそ珀千は声を荒げた。
――陛下の孫と遊ばせる!?そんな大それたことできるわけがない。
すると、悠謐が眉をひそめ、心底嫌そうな顔をした。
「別にいいだろう、珀千。遊ばせるだけだ。……英華、名をな、淞淋<ショウリン>というんだ。どうかな?」
悠謐に笑顔で尋ねられると、英華はこくこくと首を縦に振った。
それを見た悠謐は、それみたことかと言わんばりに勝ち誇った顔で珀千を振り返った。
珀千はそれを見て、何も言う気になれず、悠謐の言う通りにするしかなかった。
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