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「翔太ー。気合入れるのはいいけど、病み上がりなんだからあんまり飛ばしすぎるなよー」
「あぁ……っ? おお、太一郎かっ」
先程から激を飛ばしまっくていたノッカーは、振り返り練習着姿の太一郎を確認すると、手を止めてノックを一時中断した。
翔太といわれたノッカーの男は、目つきが鋭く常に怒っている様な顔立ちをしており、相手を畏怖させる雰囲気を漂わせている。
「しかも梶さん達の所ら辺ばっかり打ちすぎだろ。……また茶化されたのか?」
翔太のそんな雰囲気にも慣れているのか、特に気にした様子もなく、あの人もこりないなーと、苦笑いをしながら話を続ける太一郎。
「ふんっ、たまたまだ、たまたま! それより遅いぞお前! 俺らには時間がいくらあったって足らないっていうのによっ。いったい何してたんだ!?」
「悪い悪い、色々あってね……。とりあえず、例の我が飄々高校ドラフト1位の、スーパールーキーを勧誘に行っといたよ」
「何……っ?」
悪びれた様子が全くない太一郎の言葉に反応をする翔太。
要のことはもう野球部では話題になっていたらしく、反応した翔太の目つきが角度を上げてさらに鋭くなっていく。
太一郎とは違い、翔太は手放しに要のことを歓迎している訳ではないみたいである。
「今、部室で着替えてもらってるよ」
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