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「何なんだ! 何なんだっ! 何なんだっっ! いったい何なんだっていうんだ、あの女はっっ!!」
「まあまあ、落ちついてよ、好ちゃん」
うがーっと、足をドタバタさせながら怒っている好を、どうどうとなだめようとする要。
体一郎から野球部の部室に案内された二人は、用意してもらった練習着に着替えている最中だった。
「これが落ち着いていられるかってんだっ! 何、あの親の敵を見るような目っ!? オレはあんな目で見られて喜ぶような特異体質持ち合わせちゃいねぇっての!」
「ははっ、それが本当かどうかは疑わしいけど、確かにあれは凄い目つきだったねー」
ついつい好ならそういう性癖があってもおかしくないと疑ってしまう。
「んで、その理由が野球やっててピッチャーだからなんてよ……っ。そんな奴世の中に腐る程いるってのっ!」
「あ、だから日向さんこの高校に入学したのかも……。たしかここの野球部は部員が9人ギリギリだって話だから、他の高校に比べたら人数が全然少ないし」
「……え、うちの野球部ってそんな状態なの?」
その話を初めてきいたらしい好は、下の練習着を膝半分まで上げた状態で驚いていた。
「好ちゃん自分が進学する高校のことなんだから、えっちーなこと以外にもちゃんと興味もっとこうよ……」
しかも野球部のことだよ、と呆れ顔になる要。要はすでに練習着に着替え終えており、脱いだ制服を折りたたみ始めている。
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