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「ハハハ、まあ確かに君の言う通りだね」  苦笑いを浮かべている男、土御門秋人は決まりが悪そうにコーヒーを口に含む。年の頃は二十代前半ほどの見た目に甘いマスク。そしてスラリとした長身。物腰の柔らかさが相俟って女性から熱い視線を送られることが多い。ただしこの秋人という男、実年齢は四十代。しかも妻子持ち。彼の親しい友人曰く「天然年齢詐称男」。 「チッ、おい秋人。本当にこいつがアテになるのかよ? どこにでもいる普通のガキにしか見えねえが…」  加賀義彦は思わず舌打ちをする。彼は秋人と違って年齢通りのオッサンだ。胡乱な目付きで対面に座る清輝を見つめる。 「まあこの流れから予想は出来ますけど…。仕事の依頼っすか?」  はあと溜息をつきながら清輝は秋人に尋ねる。  清輝が友人たちと下校中、唐突に彼のケータイが鳴り、秋人からこの喫茶店へと呼び出された。彼から唐突に連絡が来るという事はたった一つ。仕事の依頼が彼に舞い込んできたということ。
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