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「あはははは、まあそういうことだね。それに義彦、彼は本当に役に立つよ。少なくとも今回のことは僕よりも、ね」  不敵に笑う秋人。その言葉にほう、と驚愕の表情を浮かべる義彦。  この世の中には、科学とは別の真理が存在する。科学がこの物質世界の法則を解き明かす学問とするのであれば、その対極精神世界の法則を解き明かそうとするものがある。魔術魔法法術、オカルトと称されるものである。  黙され続けるオカルトは時に、科学では説明出来ない現象を引き起こす。科学でそれらに完全に対応できないわけではない。ただ目には目を歯には歯を。オカルト現象を対処するために、日本政府から唯一認められた秘密結社『統魔』。土御門秋人はそこのトップをはる人物である。  そんな人物が自分より役に立つと称した少年。ゴクリと生唾を飲み込み、義彦はもう一度桐生清輝を見つめる。やっぱりどこにでもいる高校生にしか見えない。
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