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だがドラゴンなどありとあらゆる方面から見ても存在するはずがないものだ。しかし秋人は首をゆっくり横に振る。
「わからない。もしかしたら世界の裏側にはドラゴンだっているかもしれない。いいかい、最初は見間違いや人々の想像の中の幻想でしかないドラゴンも、幾つもの思いが重なり続ければ現実世界に僅かなりとも形を残す。思えば不思議なことだ。姿形は違えど、世界中ありとあらゆる地域にドラゴンの伝説は存在する。海に閉ざされ他の地域との交流がないはずのオーストラリアにもそれはある。おかしいと思わないかい? 存在するはずのないものが世界中で記録されているだなんて。もしかしたら本当にいるのかもしれない」
「じゃあドラゴンてどこにいるんすか? さっき世界の裏側って言ってましたけど、それってどういう意味で?」
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