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「統魔の霊視能力者に、さっき義彦に見せた鎧騎士の写真を見せた。『人々の速さに拘る思い』それが鎧騎士を生みだ幻想だ。今回の事件を君に依頼したことの要因でもある。この鎧騎士を倒すにはただ力で滅ぼすだけじゃダメだ。速さでこの鎧騎士を抜かなければならない」 「だからこそ超越者であるオレに頼んだと」 「そういうことだね」 ようやく納得がいったと清輝は背もたれに深く腰掛ける。  桐生清輝は超越者である。超越者とは人として越えてはいけないラインを越えてしまった人々のことを指す言葉である。清輝が越えたのは速さだった。ありとあらゆるものは桐生清輝に速度では勝てない。どんなに速くても彼はその速度より僅か一歩上回ることが出来る。相手が光速で動けるなら、物理法則を無視して光速を超える速度を叩きだす。鎧騎士がいかに早くても関係がない。桐生清輝はそれを超越する。
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