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Oバイパス。進入禁止の看板が立てかけてあり、誰も入れないような措置が施されていた。だがしかし今日は違う。立て看板は外され、代わりに二人の警官が立っていた。
この二人に与えられた任務はただ一つ。深夜ここに現れる一台の車をOバイパスに通すこと。
「ふわあ、眠いなぁ」
一人がポケットからタブレット型の菓子を取り出し、一粒口に含んだ。強烈なミントの刺激が気休めとはいえ、一時的に眠気を飛ばす。
「先輩も一つどうですか?」
「おお、すまんな」
ほいっと投げられたプラスチックケースを受け取り、もう一人の警官も一粒口に含む。
「それにしても暇っすね」
「ああ、忙しすぎるのもアレだが、こうも暇だとやってられん」
言わばこの二人の仕事はただ立っているだけ。仕事中のため暇つぶしにケータイを弄ることすら出来ない。
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