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『貴殿もまた、風の中の住人とお見受けした。貴殿に勝負を申し込む』
加藤の脳内に声が響く。
「なんだ!?」
思わず声が出た。周囲を見回す。何もない。
「幻聴か…」
ふとバックミラーを見る。そこには化け物がいた。
「な、なんだ、あれは……」
それは鎧騎士だった。西洋の意匠。白銀の鎧、そしてフルフェイスの兜。右手に長槍を構えていた。ただし普通の鎧騎士とは大きさの桁が違う。鎧騎士が跨る騎馬は大型トラッククラスの大きさ。乗る騎士もそれに見合うだけの巨躯。間違いなく人間ではない。
ふと加藤は最近の怪事故が脳裏に浮かぶ。理解した。コイツが幾人もの走り屋の命を奪ってきた元凶。
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