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加藤の思考が幾つもの疑問を挙げていくが、今の彼にはどうでもよかった。どれも答えが出ないものだし、今重要なのはこの鎧騎士にとの勝負に負ければ自分は命がない。ただそれだけだった。
鎧騎士に背後を完全にマークされてる。なんとかこいつを引き離さなければ…。
直進的だった道路はいよいよカーブに差し掛かる。ブレーキをこまめに踏み込み、ドリフト走行。出来る限り今までのスピードは殺さない。
『先程は見事な走りであった。だがこの一撃かわすことが出来るかな』
再び鎧騎士の言葉が脳裏に浮かぶ。ミラーを確認。鎧騎士の右手、そこには長槍が握られているのを失念していた。加藤の車を串刺しにせんと迫る穂先。
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