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「本気かよミスター・クロベ? 『サバイバル・ビレッジ』は参加費5ドルで誰でも参加できる賭けだぜ? しかも掛け金は1ドルからできる、初心者イベントだ。10歳のガキでもやってるやつがいる」
「お前もやってるのか?」
「そりゃ……少しだけ……」
「よし、中々いいぞ。話が進んできたな。俺はそいつの事を調べてる。お前が知らないとお前には用がなくなるトコだった」
「な……なんだよ!? アンタ、何を調べてるんだ!?」
「いいか? 今からこのゲームの裏側をちょっと見せるが、このことは他言するな? 約束できるか? でないと俺はお前を消さなきゃいけない」
そういいながらユージは携帯電話を取り出しメールを打つと、再びデービスのほうを向いた。デービスも即答で約束するが、ますます訳が分からない。こんなゲームに何の秘密があるというのか? 賭けに参加しているのもジャパニーズ・アニメ風の絵柄でオタク中心ではないのか? ユージに言われ、デービスはゲームにログインした。ゲームはヨーロッパの山奥の村風で、スタート画面は村を上から見た地図画面から始まる。そして画面の下に<キャラクター><イベントモード><チョイス><チャットルーム>とメニュー文字が出る。
「確か、チャットで個人での賭けも成立できるんだったよな」
「あ、ああ。ゲーム運営の公式イベントは12時間置きに発表されて、それに参加するが……参加者同士で賭けルールを作って掛け合うのも可能だ。例えば……」
デービスは<キャラクター>をクリックする。するとアニメ風のキャラで36人の男女が現れ、それぞれスキルが出てくる。そして、スキルの中に『生存確率』も表示されていた。この生存確率が、そのまま基本の賭けの『ゲーム終了まで誰が生き残るかという賭け』の倍率である。一番生存確率が高いのは、魔法騎士ナカムで、次は最年少キャラの魔女ハギノ、アヤの二人だ。ただしこの三人は注意書きがあり『※魔法使い系キャラはオリジナルイベントでは対象外になる場合があります』とある。
キャラクターのうち、半分近くはカラーではなくグレーになっていた。グレーはすでに死亡したキャラクターらしい。
デービスは、傭兵カザンと吟遊詩人少女クリルの二人をクリックし、<チャット>を開いた。
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