第6話

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 拓は二人に「玄関までつきあって」と促し、早足で歩き出した。それについていく二人。  歩きながら、拓は小声で二人に会話を交わす。 「その銃は涼ちゃんが預かって欲しい。そして……」そういうと、拓はマガジンを一つ取り出し、涼に手渡した。 「これはこの自動小銃のマガジン……新しい弾だ。万が一<死神>が現れた時は、これをセットして、ここのレバーを引く。そうすると撃つ事が出来る。涼ちゃん、君でも撃てる」 「ちょ……! 拓さん、待って!!」  突然のことで戸惑う涼と驚く宮村。 「捜査官! サクラちゃんプッシュはともかく、どうして高遠さん優遇!?」 「一番若いからだよ」 「え?」 「宮村さん。君はダメだ、賢すぎるからね。自分で判断して、自分で行動するタイプだ。銃は……」  そういうと、拓は静かにガバメントを抜き宮村に突きつけた。 「!?」 「銃は人殺しの武器だ。この距離なら、このガバメントを誰が持っていても君を殺すことができる」 「………………」 「これが逆の立場でも、そうさ。もし君がガバメントを俺の額に突きつけられれば、俺もやられるだろう。それくらい力があるものなんだよ、銃って」 「そ……それは……分かるけど……」 「宮村さんはサクラの指示には従えないかもしれない。違う?」 「それは……状況次第だと思うけど」  宮村は拓から眼を背け呟く。拓にはよく分かっている。いくら能力があるからといって、そうそう10歳の女の子の指示を受け入れられるはずがない。気持ちはよく分かる。だからこそ駄目なのだ。多少なりともサクラの尋常ではない能力を見ている涼との違うのだ。  他にも理由はあるが拓はあえて説明しなかった。  しかし…… 涼はその時、拓が言った言葉の真の意味を悟った。  丁度玄関ホールに下りたとき、涼は拓の袖を掴み、三人にだけ聞こえる声で囁いた。 「拓さん。もしかして…… もしかしてですけど…… 皆を信用してない……んですか?」 「信用してる」  拓は振り返ると、笑みを浮かべそう言った。 「ただし、今はね」 「……今は……?」 「サード・ルール……によって、仲間割れが起きるかも……ですね? 捜査官」  宮村の問いに、拓は頷いた。
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