1、僕らの居るべき場所

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窓を開けると、そこに広がるのは 朝の日の光に照らされて、まだ萌木色の葉を揺らす桜の木々。 すっかり葉桜になってしまったけれど、これはこれで好きだななんて思う。 ふわりと、まだ涼しい風が窓から入り込んで、空色のカーテンを揺らしていった。 「…んっ……」 風が顔を撫でたからか、微かに身動ぎをして声を漏らしたけれど、また眠りに戻ろうとしているようだ。 さっきまで自分も寝そべっていたベッドに近付くと、布団の端をキュッと握って眠る愛しい人の頬に触れた。 「…るぅちゃん、そろそろ起きないと朝ごはん食べれないよ~?」 「むぅ…」 日の光と爽やかな朝の風に起こされるなんて、なかなか素敵な目覚めな気がする。 それでもまだ眠いのか、るぅちゃんは布団の中で目をくしくし擦っている。 「朝ごはん……」 くぅ~…… るぅちゃんの呟きに、可愛いお腹の音が被った。 慌ててお腹を押さえたるぅちゃんの頬は、林檎みたいに真っ赤に染まっている。 フフッ、でもこれで目が覚めたね? 「今日は僕が作ろっか。るぅちゃんのお腹は待てないみたいだしね~」
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