第一章

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 自己紹介が終わり、明日の予定と部活勧誘について話が終わると、一斉にまた賑やかになった。大河はあちらこちらに話しかけに回っている。凪紗は仲良くなったと思われる少女たちと楽しそうに帰っていった。つまらなそうに清照は荷物をまとめると、教室を出て行った。  清照が出て行ったのを誰も気に止める様子が無かった。ちらりと凪紗が見ていたが、それを遮るように仲良くなったであろう女の子が前に立つ。そしてまた、元のように喋り始めた。  帰り道に通る商店街、通りがかった小路で女性が不良たちに暴行を振るわれている。こっちに気づいた女性が「助けて!」と叫んだ為、見つかってしまった。咄嗟に周囲を見渡すと木の棒があり、バックを置いてそれを拾い上げる。  殴りかかってきた男の拳を棒で捌き、別の男の蹴りを身をよじって避ける。男の蹴りが先程の男の足に絡まってしまい、二人共倒れた。最後の一人がナイフを取り出しこちらに構える。  清照は物怖じせずに構え直し、相手が斬りかかってくるタイミングに合わせて踏み込む。そして手に向かい思い切り振うるも10cmほど手前で止めた。ナイフを握った手が緩み、それを落とすと男は二人を連れて勢いよく逃げていった。  逃げた男を目で追うと同じ高校の制服の男がこちらを見て近づいてきた。女性が、「ありがとうございます。」と言っている内に、男は肩を強く掴んだ。  「おい、さっきの足さばき、一体何だ?お前の手を見せろ。」  強引に手を引っ張られると男は一瞬、大きく目を見開いたがすぐに近くに持っていた竹刀袋から一本、木刀を取り出し清照に向かって構えた。  「おい、新入生だろ?俺と勝負しろ。先に胴を当てれば勝ちだ。いいな?」  「い、いやです……そんな、暴力だなんて……。」  「つべこべ言わずにやるんだよ。おらっ。」
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