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「あ、あの、ここは?」
驚きながらも卍(まんじ)と呼ばれた少年に問いかけた。
その間に店主らしき人は、奥へ入っていってしまった。僕の相手はこの少年に任せるつもりのようだ。
『はじめまして、ようこそ。ここは見ての通り骨董屋ですが、普通の骨董屋とは少し違うんですよ』
「へぇ……す、少し見てもいいですか?」
『もちろんです。よろしければ、ご案内いたしますよ』
「あ、じゃあおねがいします。あの、普通とは少し違うっていうのは……?」
『あぁ、それはですね……』
少年が何か言いかけたが、その時店主が店の方に出てきた。
と思ったら、店の扉が開いてお客が現れた。
「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用件で?」
店主がそのお客に話しかけると、そのお客も笑顔で何やら親しげに話しているところを見ると、常連のお客のようだ。
『……見ていただいた方が早いかもしれません』
少年がそう言うから、僕は店主とお客である女性とのやり取りに目を向けた。
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