第一章

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現代の帝王は僕ともうひとり、女の子が呼ばれたがオーブの意志により交替で二人でやることになった。 そんな事を考えていると僕が水帝と話していたことに気がついていた3人は一番奥の僕の席にお茶を用意しているのに気づいた。 僕は、会議室に入り円状の机の一番奥に向かいながら3人に声をかける。 「こんにちは、皆さん。」 すると、それぞれが挨拶をかえしてくる。 「こんにちはぁ!!」 「ごきげんよう、帝王様。」 「……こんにちは。」 僕が椅子に座ると黄色のマント、光帝がお茶を入れてくれる。 お礼を言って、口をつけると紅茶の甘い味が口の中に広がった。 「今日もとても美味しいです。」 「うふふ、ありがとうございます。」 口調からして貴族だろうと思われる光帝は、気張らない優しい人で、人々から"癒しの女神"と称されている。 回復系の中で一番難しいが一番効果がある光属性の"女神の子守唄"が使えるからという理由もあるだろう。 「帝王サマ、あたし今日ね、クッキーを焼いてきたんだー!」 そう言って、クッキーを取り出すこの紺のマントをきた人は無帝、無属性魔法を得意とする帝だ。 無属性魔法とは、転移や補助魔法などのことだ。 種類豊富で覚えるのはかなりきつい。 意外と難しく、普通よりも少し魔法が使えるぐらいの人が転移を使えるぐらいの難しさだ。 でも、簡単なものはどんなに魔力が小さくとも使える。 補助系は魔力の消費が少ないが難しいのだ。 だが、さらに上をいく無属性魔法の難しい魔法は時空間系だ。 対象のものの時を止めたり、空間をねじ曲げることでその地形を変えるなどだ。 難しいことと大量の魔力消費のため、使うことはごくわずかだ。 しかし時空間系でも"バッグ"は簡単だ。 一般人が日常で使えるくらいに。 それにしても、僕の口にクッキーを持ってきて「あーん」といってる無帝は幼く思える態度と身長だ。 12歳ぐらいだろうか…… クッキーを食べながら考えていると、黒のマントを着た、闇帝が僕に近づいてきた。 闇帝は闇属性を得意とする帝で、落ち着いた物腰で物事を見極め、会議などでおかしな方向にいかないよう調整してくれる大事な人材だが、調合や実験好きでちょっと変人だ。 何度か調査を共にしたことがあるが、使い道があまりない不思議なものや珍しいものを欲しがられたものだ。
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