第一章

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ギルドの本部がある国、ネウトラル国は中央の大陸にある国で、東西南北の大陸に存在する4ヵ国の平和を保つ役割をしている中立国。 グランディエ界への扉、ノイスを守る務めもしている。 そのためギルドの本部が多い国なのよ。 本来、グランディエ界から人間界に転移なんてできる者はいないに等しいが、私ともうひとり、彼ならできる。 この強すぎる魔力によって。 本部のマスター室の前に移転すると、私は扉をノックする。 「はい。」 「特隊隊長よ。入るわ。」 「どうぞ。」 返事を聞くと扉をあけ、部屋に入った。 「ただいま、パパ。」 「俺はパパじゃねぇ。マスターと呼べ。…おかえり、おつかれさん。」 部屋の奥にある執務机のセットの椅子に座っている男、紅色のショートヘアに月のような金色の瞳をもつ見た目20代前半のギルド"ヴェルデノン"のマスターであるクラウド・バルテスタ・ベルナータがいる。 小さな頃に親がいない私と彼を引き取ってくれた女の人の友人で、女の人がいなくなってしまうまでの間に何回か会ったけど、まったく年をとることをしらないその体により見た目が変わらないが、実は今年で31歳なの。 今は、女の人の代わりに私達の保護者をしている。 彼は両親が魔物に襲われ死に、彼も重傷を負っていたが近くを通りかかったお爺さんが助けてくれたそう。 私は母親に捨てられ、孤児院に引き取られた。 私達はそれぞれ違う町に住んでいたが女の人、メアリーが私達を引き取ってくれた。 最初は私を、次に彼を。 だけど、メアリーは親じゃない。 メアリーは私達を養子として引き取ってないから。 だから、私と彼は兄弟という関係じゃない。 ………そっくりらしいけど。 私は銀髪に、藍色の目。 光加減によっては紫がかった銀髪にみえる。 髪型は前髪は目より下で、サイドは肩にギリギリつかない程度の長さで後ろ髪はサイドと同じくらいの長さに、襟足のみ長く胸あたりまであり、ひとつに結び前にたらしている。 彼も同じ。 体型もそっくり。 細い体つきだけどちゃんと外からではわからない筋肉はちゃんと鍛えられている。 ただ、性別のせいで胸だけは違うけど。 今は身長もぴったり同じ。 まぁ、さすがにもうちょっとすれば私の成長はとまり、彼は私より高くなるだろうけど。 声はさすがに違う。 私は女に間違いない声の高さ、彼は中性的な声の高さだけどやはり男を感じさせる。
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