唐繰屋敷

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スローモーションの世界、煌と同じ速度で村正は菜穂の元へと走っている…あの悪霊だけは絶対に許さない…そして、隆弘の意志を無駄にはしない…隆弘のように死なせたりしない…この身が滅びようとも、あの悪霊を浄化させ、あの子を必ず救ってみせる…怒りの表情を浮かべながら煌は懸命に駆けていた。 しかし、菜穂の元へ先に辿り着いたのは村正…長い両腕は握る刀を大きく横に振ろうとしている。 時間を遅くしただけでは、あと僅かのところで間に合わない…そう感じた煌は村正の行為を止めようと、ある言葉を心の中で願い叫ぶように強く念じた。 それは…〝時間よ、止まってくれ!〟 その言葉を強く念じた瞬間、鳥肌が立つようなゾクっとする寒気に襲われると共に周囲の空気が変わったような感じがした。 「…これは…」 異変に気付いた煌は足を止める。
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