59人が本棚に入れています
本棚に追加
遊園地では先輩と色々たくさん回った。
メリーゴーランドに乗る姿は白馬の王子様のようで、とてもかっこよかった。
お化け屋敷では、俺は怖くて先輩にしがみつくので必死だった。
初めてのお化け屋敷なので、平気だと思ってたらとても怖くて、先輩に迷惑かけちゃったかなと伝えたら、
「寧ろ抱きついてきてくれて嬉しい」
と少し赤くなりながら言っていたので先輩が嬉しいなら良かったのかな、と俺は思う。
「飲み物買ってくるよ、そこで座ってて」
「あ、ありがとうございます」
それから20分位経った。
先輩が来る気配は無い。連絡も無い。
確かあそこにあった売店かな、と思い向かってみると、そこには女の子達に囲まれてる先輩が。
「本当に彼女いるんで」
「えー、そんな彼女より私達と遊ぼうよー」
と、そんなやりとりを何回もしていた。
先輩が困っている
女の子の腕が先輩に向かった時、俺の中で何かが弾けた。
「先輩はお、私のものだから近づかないで!」
大声で叫んでしまった。
シーン、と通行人までこちらを向く。
やってしまった。と俺も戸惑っていると先輩がやって来て、
「これが俺の彼女。お前らより断然可愛いから」
と彼女達に向けて言った。
その後先輩にまた連れて行かれ、人通りの少ない場所で抱き締められる。
「あの言葉、嬉しかった」
「あ、あの…先輩をもの扱いしちゃってすみません」
「いいの、俺は遥のものだから」
嬉しかった。
改めて先輩は俺のことが好きだってことが分かって。
「先輩、大好きです」
「俺も」
確かに分かったことは、俺は先輩には敵わないということだ。
先輩のことになると、おかしくなってしまう。俺が俺でなくなってしまう。
でもいつかは先輩と自然に会話して、肩を寄せ合える関係になって、胸を張って隣に立てる、そんな俺になりたい。
「キス、していい?」
だから神様、
ほんのちょっと勇気をください
「…たまには俺からでもいいですか?」
最初のコメントを投稿しよう!