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「おはよう」
「あ、おはよー」
登校中に会うクラスメイトに挨拶をしながら、2人で下駄箱に行くと、春久の靴箱の中にある可愛らしい手紙。
そう、こいつはモテるのだ。
「お?またまた愛のラブレターですか?本当羨ましいよ、な?諒?」
「…あぁ」
クラスメイトの言葉に素っ気なく返してしまう。
モヤモヤする。
そう、俺はこの感情の正体を知っている。
所謂、嫉妬だ
「今日はどの子ですかぁ?春久くぅん?」
「うーん…C組の冴木さんだって!誰だか分かる?」
「うわっ!冴木さんってミスコン準優勝の子じゃん!あの、黒髪美人!いいなぁー、どうせフるんだろ?俺らにそのモテを寄越せっての」
そう、こいつはどんな子に告白されても断り続けている。
理由は、一方通行かもしれないけど大事な人がいる、からだそうだ。
それは俺にも教えてくれない。
そんなに言えないような相手なのか、と聞くと顔を真っ赤にしながら、そうじゃないっ!!って反論はするんだが。
「諒!放課後、これ呼ばれてるから先帰ってて!」
「いや、待ってるぞ?」
「いいってば!」
「…分かった。先帰るわ」
「お前らも仲良いよな、諒は春久きゅんの想い人知らんの?」
「知らない、教えてくれないんだ」
「とか言っちゃってー!」
と言いながら俺に肩パンしてくる。
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