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「あれ?どっか寄って来てたの?俺も行きたかったー!」
部屋に戻ると春久がいた。
「何でいる?」
「えー、今日一緒に帰れなかったから」
「お前はその大事なやつといればいいんじゃないか?」
「諒だって大事なやつだよ!」
つまるところ二番目か。
でも、親友として一番ならそれでいいのかもしれない。
「はいはい、で?今日も同じ?」
敢えて知らないフリをする
ギシリ、と心は痛む
「うん」
「お前は本当一途なんだな、他のことは無関心が多いくせに」
「うっさいなぁ!
…そういう諒こそ好きなやついんのかよ」
あぁ、きてしまった。
ずっとこないで欲しいと願った言葉。
俺はなんて応えればいい?
まだお前に拒絶される勇気はない。
「あぁ、いるよ」
「そっか…」
気まずい雰囲気になる。
「その子に告白しないのか?」
「したいけど、俺は臆病だからな。この距離がいいんだ」
「じゃあ諒と仲の良い子か…俺と同じだな」
「お前が付き合えたら一番に祝ってやるよ」
と微笑みながら言うと春久の顔を真っ赤になり、悲しそうな表情になった。
「俺、諒のこと大事だよ?諒も俺の事大事?それはずっと変わらない?」
「あぁ、変わらない。俺も春久が大事だ」
隣にお前が居るのに、遠く感じる
お互いの事が大切なのに想いは伝わらない
それでも、今はこの距離が落ち着くんだ
「明日一緒に遅刻して行かねー?ゲーセン行きたい!」
「待ち合わせしたって、お前寝坊するだろ」
「諒が起こしに来ればいいじゃん」
こんな日常がずっと続きますように
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