それでも少女は嘘をつき続ける

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   僕が彼女と初めて会ったのは3年くらい前の春、中学2年生のとき。  元々そこまで酷くはないはずの喘息なのだけど、季節の変わり目か何かが原因で頻繁に発作が出るからと。入院させられる四月の初め頃。  我ながら変な体だとは思うものの、毎年の恒例行事のようなものになっていたし、僕は入院中の暇を持て余していたところ。  いきなり、  本当に突然。  ドアのところに人が立っていた。  小学校四年生くらいの小さい女の子。……小さい、というよりも細いといった表現のほうが正しいのかもしれないけれど。    黒い髪を肩よりも少し下くらいに伸ばして、全体的に可愛い印象。ただ、それも右腕に繋がれた点滴のせいで異様な雰囲気を出していた。  病室、間違えたのか?  いや、僕がいるとこは一番端だったからそれはないか。  それなら階を間違えたのか。それならまだ小さい女の子みたいだし連れていってあげようかとベットから体を起こす。  眼が合うと彼女はニコっと可愛らしい笑みを浮かべて、もと来た道を引き返していった。 「え……」  なんだったんだろう、と考える前に行動していたようだ。  僕は彼女の腕を掴んでいた。近くで見ると思ったよりも身長は低くはない。ただ細いだけなんだろう。  彼女は大きめの目を一つ瞬きして、掴まれた腕を見るとまた僕をみつめた。 「やっと、同い年の子に会えたねー」  吸い込まれそうな瞳だった。顔は笑っているのだけど、目は何か違うことを考えているような感じ。遠くから見たらわからないけど、近くからみると結構、圧倒される。  正直、相手の目を見つめて話すのは苦手だ。僕は彼女から軽く目をそらした。  ふぅー……。というか、彼女、    今、同い年って言わなかったか?  ありえないんだけど。  関わらなければ良かった。  僕の彼女に対する第一印象。思ったよりもひどいかもしれない。    ただ一つ分かったのは、彼女は嘘つきだっていうこと。
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