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「もうちょっと上手くだして?」 「ひッッ!!!」 突然の声。 飛び上がるほど驚いたわたしの口から間抜けな声がでた。 恐る恐る振り返ると、薄暗い部屋に白衣を着たすらりとした男性の姿がぼんやりと見えた。 誰?! いつの間に部屋に入ってきたの!? 足あるよね? お化けじゃないよね? 突然の事にびっくりした私の手は完全に止まってしまっていた。 「画面から目をはなさない。 もうちょっと右から。 掬うように。」 「え… あ、は、はい。」 ビックリしてわたわたアワアワいる私にゆっくりと白衣の手が近づいてくる。 「こう…だよ。」 後ろから覆い被さるようして手と一緒にプローブ(※)を掴まれてしまった。 ※プローブ 超音波の探触子のこと。プローブから超音波がでて跳ね返った超音波を受け取って画像にしている。
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