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恥ずかしさのあまり赤面したまま立ち尽くしていると五秒もたたないうちにまた「ソイツ」はドアから顔を出し、 「あとさ、その患者、話しかけたって聞こえないよ? 君…大丈夫?」 そう言い放ちスッとドアを閉めた。 「…なな!」 かちーん! 私はドアを勢いよく開けて廊下の背中に怒鳴りつけた。 「わかってます!そんなこと! でも聞こえてるかもしれないし!レベルが低くたって丁寧に接するべきです!」 しかし私の熱意虚しく、後ろ姿は立ち止まることなく再度ヒラヒラ手を振りながら角を曲がり見えなくなった。 なんなのよ!なんなのよ!なんなのよ! 失礼だわ! 白衣王子なんて撤回!撤回!撤回!
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