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心カテ室外側のレントゲン操作室のガラス越しには院長と横山婦人が立ってこちらを見ていた。
横山婦人は不安げに眉毛を下げたまま口元をハンカチで押さえている。
心カテ台にほぼ裸体で寝かされた横山さんは目を閉じて苦しげに浅い呼吸をくりかえしている。
その頭上には大きなX線装置が見下ろしており、ものものしい雰囲気だ。
私と先生は頭には手術用のキャップ、手にはグローブ、体には重たい放射線防御衣を白衣の上につけている。私たちも十分にものものしい。
「麻酔」
先生が私に手を差し出す。
となりに立った私はシリンジに入れておいた麻酔薬をグローブをした先生に手渡した。
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