35/52
前へ
/314ページ
次へ
半年前、 と院長は切り出した。 「…私のところに○○大学病院の理事長から連絡があったんだ… 鳴海夏輝という医師を大学から星和総合病院に出向させたい、とね。」 話ながら院長先生はゆっくりと横山婦人の方へ歩みを進めた。 「大学とウチは地域医療連携をとっているので出向については不自然はない。 …しかし時期が11月と半端だという疑問は残った。」 まっすぐ話す院長から横山婦人が目をそらしうつむいた。 「…そして… 一連の事を知った上で鳴海医師を受け入れた…」 院長は鳴海先生を見た。 先生もまっすぐ院長を見ている。 「大学に行って生前のデータから検死の結果まで開示してもらったよ。 沙和さんの…結果をね。」
/314ページ

最初のコメントを投稿しよう!

880人が本棚に入れています
本棚に追加