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それから数日たったある日、エコー室に行こうと角を曲がると看護師がエコー室のドアを開けて中に入っていくのが見えた。
あ、
あの子…この間食堂で見かけた子。
看護師の手にはお弁当の袋らしきものが見える。
はは~ん…
もしかして、誉められた手作り卵焼きか
不思議とヤキモチや嫌なカンジはせず、むしろ微笑ましい気持ちに私はそっと踵を返しその場を離れ検査室へと戻っていった。
「最近、ずいぶん鳴海先生と仲よくしてるみたいだけど?」
病棟の仕事が一段落したところで大原さんが声をかけてきた。
大原さんは隙あらばでしゃばってきては話しかけてくる。
しかし自宅に招かれた以来、挨拶と事務的なこと以外は会話をしないことにしている。
必要以外は話さないのか一番。
こういう輩は話をすると許してもらえたと勘違いしてまた元の木阿弥だ。
「藤堂さんは子供が2人もいるんだから恋愛と結婚はまだダメよね。」
彼女はお構いなしに続けてくる。
何の権利と根拠があって私にそんなこというのか…
「…結婚すればいいというわけではありませんから。」
カチンとして思わず言葉にしてしまう。
「…藤堂さんって負け犬の皮をかぶった勝ち組よね!
母子家庭のくせに子供をいい学校に通わせてさぁ!同じ給料とは思えないンだよねー。夫婦で稼いでるうちと何が違うのー!」
こんなことまでいい始めた…
同じ給料なわけないし。
心の中で毒づいていると検査室の受付小窓からヌッと鳴海先生が顔を出した。
「おーす!昼飯行こーぜ?
…藤堂さんを連れてっちゃってもいいよな?えーと…大原さん?だっけ?」
「…」
大原さんは変事もせずに先生から思いっきりプイと顔を背けてしまった。
あちゃー…ご立腹。
逆ギレ子供おばちゃんもここまでくると痛すぎて何だかかわいそうになってくる。
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