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検査室の仕事を片付けてから食堂に行くと智衣の手招きがすぐに目に入り
「ゴハン準備しといてくれてありがとね~」
そう言いながらいつものように智衣と向かい合わせの席についた。
「いえいえ。
夏妃ちゃん最近どう?心臓エコー忙しい?」
「う~ん、忙しい…かな」
「また先生のかわいいイジワル?」
「な!か、かわいくない!」
楽しそうに聞いてくる智衣に思わず大きな声。
「夏妃ちゃん声おおきいよー」
「!」
智衣に制され慌てて口を手で抑えて回りを見回す。
「あ…」
その時、向かいのテーブルの隅にポツンと置いてある小さなバックがふと目にとまった。
席を立ち、そっと覗くとさっきエコー室前で看護師さんが持っていたお弁当袋だった。
これ…さっきのバック…
そっと持ち上げると私はエレベーターで3Fに向かった。
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