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「智衣おまたせ!
わ!美味しそ~」
「今日はカレーうどんだよ。」
ハフハフしながら智衣が言う。
「ねね夏妃ちゃん、聞いた?新しい先生の話。」
「…ああ…さっき見に行こうって誘われた。」
「帰りに病棟覗いてこ?」
智衣は薬剤部で私と同期。病院内では一番仲がいい。
意外とミーハーで社交性がある智衣。素直になんでも言える性格がうらやましい。
私は…無理。
言いたいことの半分もうまく伝えられない。
「え~私はいいよ~
そのうち見れるでしょ。」
「いこうよ~。挨拶。挨拶。」
ほら、屈託なくニコニコするところ。
女の私から見ても智衣はかわいい。
結婚して結構たつのに子供作らないのは旦那さんが智衣を独り占めしたいからなのかな?
「あ、やっぱりだめ。
午後一で病棟の患者さんの心エコー検査あったんだ!」
「心臓の超音波検査?」
「そ。」
「ここの検査室でできるの夏妃ちゃんだけだもんね!スゴイよね。」
「違う違う!
まだ私なんか教えてもらう身だよ!」
褒められ慣れてない私はドキドキしながら髪を押さえ慌ててカレーウドンを啜った。
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