「転校生」

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ため息を一つ吐き、僕は席を立った。 先生から任された仕事をしなければならない。いつからか、こういった仕事は僕がするようになっていた。 これは僕の推測だけれど、多分先生がクラスで浮いている僕を馴染ませるためにやっていることなのだと思う。 その優しさはありがたい。でも、結局ありがた迷惑なのだ。 僕にとってそれは、迷惑でしかない。 「あの……アンケート書いた?」 クラスメイトの一人に話しかける。 「あ? うわっ……」 するとクラスメイトは、分かりやすい侮蔑の表情で僕を見た。 そして僕を一瞥して、どこかへ行こうとする。 「あの……アンケートを」 「…………チッ」 僕が引き留めると、クラスメイトは一枚の紙を取りだし、机の上にそれを叩きつけるように置いて教室を出ていった。 その後ろ姿を、僕は複雑な心境で眺めていた。 こんな態度をされると傷つくな……。毎度のこととはいえ、流石に凹む。 僕はそれからなんとか全員分のアンケートを回収して、その日を終えた。 先生はありがとうと言ってくれたけれど、僕の心が晴れることは決して無かった。
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